今の段階で、貯蓄はゼロ。退職金についても、すでに3分の1も残っていない状況だったのです。

関連会社の給料並みの年金が
もらえると誤解してローンを組む

 さらに大きな問題は、「将来もらえる年金の金額は、定年後の収入と同程度だろうから、心配ないだろう」と甘く考えていることでした。唯一、思っているのは「何かあったら困るだろうから、残っている退職金はあまり使わないようにしておこう」というくらいのことでした。

 にもかかわらず、支出は膨らむばかりです。

 まずは住宅ローン。ボーナス払いはありませんが、毎月8万円の返済が、73歳まで続きます。

 さらに昨年からは、子どもの学費を払うため、「教育ローン」を利用し始めました。返済は、子どもが卒業するまで元金据え置きで、利息のみの支払い。下の子があと2年で卒業ですので、それ以降は元金の返済も始まります。

 これにもろもろの支出を加えると、支出の総額は月に45万円。手取り収入だけでは到底賄いきれず、毎月、貯蓄から補塡していました。

 とはいえ、妻は「ずっと専業主婦でやったことがないから」と言い訳して働こうとはしません。そればかりか、贅沢な生活から抜けきれず、節約したり支出を見直したりといった努力さえしていませんでした。

 しかし、Zさんの退職は、3年後に迫っています。そのころには、子どもにかかっていた生活費分の負担は減るかもしれませんが、住宅ローンはそのまま、教育ローンに関しては返済金額が増えてしまいますから、年金だけでは暮らせない可能性が高まっています。

 そもそも想定している年金受給額についても、35万円ももらえるかというと、ちょっと怪しい気がします。生涯の平均的賃金を約40万円と見込んだ厚生年金受給額のデータを見ると、専業主婦の妻と2人で約22万円となっているからです。