崩壊 ディーラービジネス#2Photo:24K-Production/gettyimages

少子高齢化で、国内での自動車販売が頭打ちになる中、異業種からのディーラー事業への参入が目立ってきている。特集『崩壊 ディーラービジネス』(全7回)の#2では、野心を抱き、ディーラー事業に参入した企業が狙う“勝ち筋”とその勝算を明らかにする。(ダイヤモンド編集部 宮井貴之)
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苦境続く既存の自動車販売店
仙台のディーラーは資金繰り悪化で倒産

 昨年11月、仙台市に本社を置き、三菱自動車を扱うディーラー、東北自動車販売が倒産した。帝国データバンクによると負債総額は10億円に上る。

 最盛期には宮城県内で三菱自動車系列店を10店舗以上展開したが、三菱自動車の燃料改ざん問題で経営は暗転した。不採算店舗閉鎖に伴う特別損失の計上や販売不振が続いたことで資金繰りが悪化し、設立から69年でその歴史に幕を閉じた。

 こうしたディーラーの経営悪化は全国に広がっている。日本自動車販売協会連合会などが集計した2023年の乗用車と軽自動車の販売台数は、新型コロナウイルス禍以前の19年と比べて約8%減となった。半導体不足が響いた22年と比べれば、販売台数は回復しているが、足元では車両価格の高騰も響くなど右肩下がりの状況に変わりはない。

 一方で逆風が吹く中、果敢にディーラー事業に参入する企業が目立ってきている。

 象徴的なのが、家電量販店「ヤマダデンキ」を全国で展開するヤマダホールディングス(HD)だ。ヤマダHDは、10年に三菱自動車のEV「アイ・ミーブ」を販売していたが、販売不振で事業が立ち消えたことがある。

 そんなヤマダHDがなぜ再びディーラー事業に参入するのか。次ページでは、ディーラー事業に参入したヤマダHDやカー用品大手のオートバックスセブンなどが狙う“勝ち筋”とその勝算を明らかにする。