サウジアラビア王国は、ジャーナリストのジャマル・カショギ氏殺害によって、自らひどい痛手を負うことになった。事件に関する同国の一連の説明は、その痛手をさらに悪化させている。ドナルド・トランプ米大統領は、サウジのこうした残虐行為や、王位継承順位 1位のムハンマド・ビン・サルマン皇太子(33)の権力について真実を語らなければ、米サウジの2国間関係を制御できなくなるだろう。サウジ側が19日深夜に発表した声明は、これまでで最も詳しいものであり、少なくともカショギ氏がイスタンブールにあるサウジ総領事館で、サウジの工作員らによって殺害されたことを認めるものだった。しかし、カショギ氏が「けんかと口論」の末に殺されたとの説明を、額面通りに受け取ることはできない。サウジ側の声明は「乱闘が激しくなってカショギ氏は死亡し、それを隠し、ごまかす行動につながった」としている。そうだとすれば、「乱闘」はさぞかし一方的なものだっただろう。59歳のジャーナリストが、まるで映画「96時間(原題:Taken)」のリーアム・ニーソンのように、多数の警備員らに立ち向かったのである。
トランプ氏はサウジ問題で真実話すべき
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