カーシェアリング、ルームシェアリングのように“共用”する仕組みが携帯電話の世界でも浸透するかもしれない。といっても、携帯端末そのものをシェアするわけではない。
次世代の通信方式「5G」(第5世代移動通信システム)をスタートするために、携帯各社は電波を中継する基地局を増設する。この基地局インフラをシェアリングしようという動きだ。
携帯電話基地局の設備共用(シェアリング)サービスを手掛けるベンチャーのJTOWER(東京都港区)は10月11日、最大40億円を資金調達すると発表、事業の拡大を打ち出した。
2020年に東京五輪・パラリンピックが開催されるタイミングで、5Gの商用サービスが始まる。NTTドコモ、KDDI、ソフトバンクに加え、携帯事業に新規参入する楽天を含めた4社が全国展開する意向だ。一部エリアでは19年に前倒しスタートする。
5Gになると通信のデータ量が急増するため、携帯会社は基地局を大量に増設することになるが、JTOWERの商機はここにある。
12年に設立のJTOWERは、携帯会社を顧客に、基地局の設備共用サービスを提供する国内初の企業。13年に旧産業革新機構(現INCJ)などから10億円を調達し、サービスを開始した。