大手プライベートエクイティ(PE)投資会社は、数十億ドル規模の企業買収にしのぎを削るのには慣れっこだ。だが今こうした投資会社は、大量のスプレッドシートを読みこなす22歳の若者を巡ってにらみ合っている。業界挙げての争奪戦が今週、始まった。若いインベストメントバンカーを採用するためだ。事情に詳しい関係者によると、口火を切ったのはトーマ・ブラボーだ。先週末に人材募集の最初の呼びかけをしたという。うわさは瞬く間にライバルに広まり、週明け10月29日には大手PE投資会社のほぼ全て(ブラックストーン・グループ、アポロ・グローバル・マネジメント、カーライル・グループ、TPGキャピタルなど)で面接が始まった。年間採用活動がスタートしたPE各社では、初級職の募集窓口が熱気を帯び、あっという間にオファーが終了となる。候補者は今春に大学を卒業し、ほんの数週間前に金融機関の投資銀行部門に配属されたばかりの若者たちだ。