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気はやさしくて胃痛持ち
【第15回】 2012年5月16日
著者・コラム紹介バックナンバー
市川純子 [(財)日本ヘルスケアニュートリケア研究所]

数字が上がらない。視聴率に一喜一憂して
体調が悪くなったテレビ制作マン

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 Tさんは数日後、先輩が紹介してくれた番組制作会社の社長と面談してその場で内定を貰った。正式な採用は春からだが、大学4年の秋からは既に社員並みに現場に出た。

 最初に配属されたのは、深夜のバラエティ番組のADだ。ADの仕事は範囲が広い。ロケ先の交渉、スタッフの弁当の手配、タレント事務所への台本の搬入、ロケ場所の駐車場の確保、編集室と編集スタッフの確保。仕事はやってもやっても終わりがなかった。余りの忙しさから卒論の提出期限を忘れて、留年しかけてしまったほどだ。

やっと自分の番組がもてたが
会議で胃痛が起こる

 長いAD時代を経て、何度か人気番組を手がけたことが、評価されてTさんはチーフディレクターとして番組を任されるまでになっていた。

 番組を作るようになってからは、以前よりも子どものときに見ていた番組を思い出す。その記憶と重なるのが、幸せな家族の夕飯の風景だ。Tさんは自分のように、「観てくれる子どもたちが大人になったときに、家族の思い出と重なるような番組が作りたい」といつも思っていた。「ひたすら楽しく」というプロデューサーの意向を汲みつつ、予算を考え、子どもたちの記憶に残る番組を企画するのは大変だ。

 企画をプロデューサーにプレゼンする度に「これでは数字がとれない」「これではスポンサーが納得しない。練り直し」と会議で言われる。そのたびに胃が痛くなるTさんだった。何度企画書を書き直してもなかなか通らない。企画を考える時間もままならぬなか連日徹夜作業が続く。

 数字が上がらないと営業経由で、広告代理店からクレームが来ることもある。そのクレームのたびにに胃が痛くなるTさんだった。

 コーナーごとに細かく視聴率が発表される。そのたびに「次の改編で打ち切りかも」。その不安と闘いながら毎日スタッフと夜中まで編集室にこもるTさんだった。

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市川純子 [(財)日本ヘルスケアニュートリケア研究所]

1961年生まれ。財団法人日本ヘルスケアニュートリケア研究所 所長。広告代理店で大手私鉄の広報を担当。その後PR会社に転職し、医薬品や化粧品分野に携わる。2003 年にJ&Tプランニングを設立。代表取締役に就任。研究や情報の開発も行いヒット商品を数多く手がける。医療健康美容分野の研究のために2010年財団を設立。


気はやさしくて胃痛持ち

失われた20年と呼ばれる日本経済。そんな長い停滞のなかをがむしゃらに、ひたむきに日々の仕事・生活を生きてきたビジネスマンたち。さまざまなストレスに耐えてきたカラダもそろそろ注意信号を出す頃。いろんな職場のいろんなビジネスマンのいろんな悩みと不調を少し悲しく少しおかしく紹介します。

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