嫉妬心を、ありのままに見つめることが第一歩

では、どうすれば良いのでしょうか。

抑圧しても、決して消えることのない、この厄介な「エゴ」に対して、我々は、どう処すれば良いのでしょうか。

実は、古来、語られる「心理的な技法」があります。
それは、

ただ、静かに見つめる
否定も肯定もせず、ただ、静かに見つめる

という技法です。

例えば、同期の近藤課長に先を越された村上課長であれば、
「俺は、出世など興味はない」
と自分の心の中の「エゴ」を抑えつけるのではなく、その「エゴ」の動きを、
「ああ、自分は、同期の出世に、嫉妬しているな……」
と、否定も肯定もせず、ただ、静かに見つめることです。
例えば、後輩の福田さんの営業センスに脅威を感じている先輩の岡田さんであれば、
「ああ、自分は、後輩の才能に恐れを抱いているな……」
と、ありのままに見つめることです。

ただし、ここで大切なことは、「否定も肯定もしない」ということです。
なぜなら、もし、「ああ、いけない、自分は、同期の出世に嫉妬している」と否定的な感覚で受け止めた瞬間に、また、「抑圧」が起こってしまうからです。

しかし、もし、「否定も肯定もせず、ただ、静かに見つめる」ということができたならば、なぜか、不思議なほど、我々の心の中の「エゴ」の動きは静まっていきます。

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