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「最終損益がマイナスという非常に厳しい決算だった」(北村巧・野村ホールディングス財務統括責任者《CFO》)

 野村が10月末に発表した2018年9月中間決算(米国会計基準)は最終損失が60億円の赤字となり、前年同期の1087億円の黒字から一気に転落した。中間期での最終赤字は11年9月中間決算以来7年ぶりで、12年8月に永井浩二氏がグループCEO(最高経営責任者)に就任して以降初となる。

 業績低迷の理由の一つは業界全体の経営環境の悪化にある。

 米中貿易摩擦や新興国通貨の下落などで投資マインドが冷え込み、株式や新興国の債券、投資信託などの商品の売買が減少し手数料収入が落ち込んだ。実際、大手証券各社の業績をみると、みずほ証券を除く3社(大和証券グループ本社、SMBC日興証券、三菱UFJ証券ホールディングス)は軒並み減益となっている。

 さらに野村には一過性の損失もあった。過去に米国子会社が販売した住宅ローン担保証券(RMBS )を巡る米国での訴訟で、米司法省に支払う和解金やバーレーンの子会社清算に伴う為替差損などで400億円超の費用の計上を迫られたからだ。

 だが、野村の決算で見過ごせないのは、主要3事業のいずれもが不振だったことだ。中でも懸念すべきは、稼ぎ頭であった個人営業部門の落ち込みである。