証券業界に“新風”が吹き込んでいる。このほど、最大手の野村證券の若手営業マン2人が会社を離れ、「IFA」の事業者となるべく立ち上げた新会社が始動したのだ。
IFAとは特定の金融機関に属さず、独立した立場から顧客に投資助言を行ったり、運用商品を販売したりする「独立系金融アドバイザー」のこと。知名度はまだ低いものの、最近では金融商品の販売の新たな担い手として金融庁が育成に力を入れ始めるなど、注目を集める存在となりつつある。
冒頭の新会社、ジャパンアセットマネジメントは、2月半ばに営業を開始。野村時代に営業部門トップから表彰を受けたことがある代表の堀江智生氏(30歳)は、「販売ノルマを追わず、常に顧客目線で要望に応える金融機関を目指したい」と意気込む。そして株式や保険、不動産など、顧客ニーズに沿う形で幅広い商品を提案していきたいという。
共同創業者の長谷川学氏(27歳)は20代だ。「これまでと最も異なるのは時間軸。3~5年で転勤を繰り返す形では顧客との関係が途切れてしまう」と、大手証券とは違って長期的なスパンで顧客と向き合う点を強調する。