「世界を幸せな人でいっぱいにしたいんだ」
これを聞いてボクは、自分の理想とのあまりにもなスケールの違いと、ボクが「自分だけ」の満足しか考えていなかったことに気づかされて、何も言えなくなってしまったのを覚えています。
もう一人は、『天国おじい』をお読みになった方からいただく感想でも人気の高い、ホテルスタッフの間でひそかに「神客」と呼ばれていた地方で不動産業を営んでいた柏木さまの理想です。
一緒にレストランで食事をしてくれたときに語ってくれたのですが、
「私は地球を少しでもよくしたいなと思っている。
孫に生きるのが辛くなるような社会を残したくなくてね。
自分ができることは限られているけど、本当の理想はそこにあって、
それが私のパワーの源なんだ」。
柏木さまがそう語ってくれた時の目の輝きが今でも忘れられません。
でもボクは、
「それもお金があるから言えることで、ボクだってお金があったらどんなコトでもするわ。いくらでも寄付するよ!」
なんていうことを考えていたのです。
そんなボクの本音に気づいたのかどうかはわかりませんが、ある時、不意に柏木さまがボクにこう言いました。
「私は若い時分に、何か条件が叶えばアレもコレもできるというのは『宝くじ発想』だって、気がついたんだ。
つまり、条件が整わないと何もしないのか? って。
それよりも、自分は何ができるのか? 何をしなければいけないのか? が大切なんだよ」
宝くじ発想……。
まさにボクの考えをばっちり見抜かれていたのです。
おじいはこう言いました。
「理想は大きく持ってイイんだ。
10m先に行くのと、100km先に行こうと思うのとでは『算段』が変わってくる」
メリックさまは、こうも言っていました。
「世界を幸せな人でいっぱいにしたいと思うとワクワクするんだ!
このエキサイトする気持ちは目的が大きければ大きいほど強くなる。
でも、ワクワクしているだけじゃ実現できないから、自分ができることを考えるんだ」
それからしばらくして、個人起業家から成功に至った方々が集うセミナーに参加する機会がありましたが、そこに登壇した30代のある成功者がこう話してくれました。