金融サービスを提供するワンアメリカは1877年創業の老舗企業だ。同社では最近、若者を意識してイメージ一新を図ろうと、データアナリストを新たな職名で呼ぶことにした。「データラングラー」(カウボーイが牛を操るようにデータを自在に操るという意)だ。「われわれは古めかしく偏屈な業界だと思われている」と、同社のデータ分析担当バイスプレジデント、トッド・ショック氏は話す。これに対し、目新しい肩書を使えば、敏しょう性や進んでリスクをとる姿勢を示すことができるという。「名刺に『データラングラー』と書いてあげれば、喜んで入社する社員がいるとしたら、そうしない手はない」と同氏は言う。労働市場のひっ迫に伴い、人材獲得の新たな手段として肩書に知恵を絞る企業が増えている。報酬コンサルティング会社パール・メイヤーの2018年の調査によると、肩書によって有望な社員を集めたいと考える企業が40%に上り、2009年の31%から上昇した。