北への行き過ぎた融和姿勢は
韓国の安全保障を脅かす

 文大統領は「北朝鮮の脅威は極めて小さくなった」として、北朝鮮融和姿勢を強めている。これに対し韓国メディアは、北朝鮮の脅威が減少しないと見ており、そうした中で一方的に軍備を縮小して防衛力を弱めれば脅威は増すばかりであり、極端な融和姿勢は米国との信頼関係についても危機に陥れているとの懸念を示している。

 このうち11月15日の『朝鮮日報』は、「文大統領の大言壮語はどれもうそ、国民は誰を信じればいいのか」とする社説を掲載し、文大統領、あるいは政権幹部が北朝鮮について語ってきた内容の多くが、現実と食い違っていると痛烈に批判している。

 例えば、文大統領は9月の南北首脳会談後、北朝鮮が核実験場やミサイル発射場を閉鎖したことに言及し、「将来の核能力を廃棄した」との見方を示した。しかし韓国の国家情報院は、11月14日に開かれた国会の情報委員会で、「北朝鮮はノドンやスカッドなどの短距離ミサイル開発を今も続けており、これに核弾頭を小型化して搭載する技術開発も行っている」と報告。『朝鮮日報』は、文大統領の説明と矛盾すると指摘した。

 また、同紙は16日、金正恩・朝鮮労働党委員長が新型先端兵器実験の現地指導を行ったことについて、韓国政府と韓国軍が、「挑発と見なすのは適切ではない」「対外向けに武力を誇示する意図はないようである」とコメントしたと報じている。

 だが米国は、北朝鮮が韓国を攻撃する軍事的な動き、あるいは準備を今なお進めていると見ているとし、同紙はこのような分析を基に「防衛力増強計画を中断し、すでに保有する兵器まで削減しようとしているかのように評価するのはおかしい」との懸念を表明している。

 同様に『中央日報』も、米戦略国際問題研究所(CSIS)が北朝鮮が公表していないミサイル関連施設のうち13ヵ所を特定したとの報告書を公表したことについて、韓国大統領府の金宣謙報道官が、「CSISの報告書は米国側の過剰反応だ」として北朝鮮を擁護した件について、「大統領府報道官が他人事のようにコメントしている」と批判している。

 果たしてこんな大統領で、国の安全保障に責任が負えるのであろうか。