原油価格の大幅な下落は米国経済にとってプラスなのか、それともマイナスなのか。恐らくプラスだろうが、その結論は以前ほど簡単には導き出せない。以前は単純明快で、原油価格の下落はプラスだった。米国の原油消費量は生産量を大幅に上回っていたからだ。原油価格が下落すると、米国の輸入燃料コストが下がり、消費者は他のモノ、主に国産の財やサービスに費やす資金が増えた。米国の産油量を劇的に増加させたシェール革命でそうした状況は一変した。2014年半ばの1バレル=100ドル以上から2016年初めの1バレル=30ドル未満への原油価格の急落は米国経済に暗い影を落とした。それは多くのエコノミストや投資家にとって意外なことだった。というのも、原油やその他の石油製品に関して、米国の輸入量はまだ輸出量を上回っていたからだ(その状況は現在も続く)。