「この大会は、2013~2016年は全席2000円としていましたが、2017~2018年は通常価格に戻したんです。特別リングサイド席7000円、リングサイド席5000円、自由席4000円と、席種別に売り出したんですね。

 すると全席2000円のときは毎回札止め(満席御礼)だったにもかかわらず、集客ががくんと減って1000人くらいでした。びっくりしましたし、ショックはありましたよね。みんな、なんてわかりやすいんだろうと(笑)。

 そんな経験もあるので、無料興行にするのに抵抗はなかったんです。やっぱり無料というインパクトは強烈ですし、無料にすれば普段プロレスを観ない層も来るだろうし、既存ファンも友人知人を呼びやすいだろうなと」

 DDTはこれまでも、観客が一銭も支払わない無料興行を行ってきた実績がある。

 例えば、毎年秋にJR大森駅前で行う「UTANフェスタ(JR大森駅東口前広場大会)」。今年は10月14日に行われた。広場を有するバスターミナルに毎年1000人以上が集まる。

 さらに、2017年9月、サイバーエージェント社にジョインし、AbemaTVでの試合放送がスタート。藤田晋社長の考えも「無料の放送を通じていろいろな人たちにDDTの試合を観てもらい、まだ知らない人に広めることが大事」というものだった。高木氏もその考えに賛同している。

 2016~17年にかけてアンケートを取ったところ、DDTを知ったきっかけとして、無料イベントやAbemaTV、YouTubeなどが挙がることが多く、すべて無料で観られるコンテンツがプロレスビギナーとの接点となっていることがわかった。

 1年で100を超える大会を開催するなかで、半数近くは地方で開催する大会だ。都内より集客に苦戦する地方大会でも、AbemaTVやYouTubeでDDTを知ったのを機に、来場する客が増えているというから、無料コンテンツがもたらしたポジティブな影響は大きい。

集客が確実だから企業協賛、
物販の売り上げを見込める

 高木氏はプロレスラー、鈴木みのる氏の例も挙げる。今年でデビュー30周年を迎えた今も、衰えを見せることなく、ますますパワーアップしているように見える鈴木氏が、6月23日~24日にかけて開催した無料イベントからもヒントをもらったという。