映画「クレイジー・リッチ!」が中国で公開初日を迎えた先月30日夜、大学院生のフー・リアンユーさん(25)は米国で記録的な観客を動員したこの作品を見に出かけた。同国南東部の都市・寧波の映画館には6人の観客しかおらず、作品自体にも戸惑いを覚えた。「明るく楽しい映画だった」とフーさんは語るが、中国出身の富裕層を「古めかしい考え方や行動をする悪趣味な人々」のように描いているのが不満だった。「クレイジー・リッチ!」はシンガポールの富豪一族のハンサムな御曹司と恋に落ちた中国系米国人女性のシンデレラストーリーだ。米国の観客や批評家は、出演キャストのほぼ全員がアジア系であることを絶賛した。ボックス・オフィス・モジョによると、全米で1億7400万ドル(約197億円)近い興行収入を上げたという。