昔ながらの天ぷらを作る
母親代わりに家族会議へ参加
モノにあふれた現代社会。豊かさの裏側で、寂しさや満たされない思いを抱えながら生きている人は少なくない。
そんな心の隙間を、「おばあちゃん」が解消してくれるというサービスがある。その名も「OKおばあちゃん」だ。実際にどんなサービスが行われているのか、いくつかの例を紹介しよう。
「衣がぼてぼての天ぷらを食べさせてほしい」。そんな40代独身男性Aさんの依頼に、OKおばあちゃんスタッフが出動し、依頼主の自宅で天ぷらを作って提供したケースを紹介しよう。
社会的地位の高い職業に就き高収入を得ているAさんにとって、高級店でサクサクの天ぷらを食べることは簡単にできる。しかし望んだのは、自宅で昔ながらの天ぷらを作ってもらって食べること。調理から食事後の片付けまでの約2時間、Aさんは母親世代のスタッフとの会話を楽しみながら、ぼてぼての天ぷらの食事を楽しんだ。
Aさんはその後も、「友人が集まるホームパーティで昔ながらの和食を作ってほしい」など、定期的にサービスを利用している。
次に紹介する依頼主のBさんは、90代の男性。趣味で社交ダンスを習い始めたが、「思うように踊れないから自主練習をしたい」と、その相手をOKおばあちゃんに求めた。大勢でのレッスンでは、みんなのペースについていけなかったり、相手に迷惑をかけてしまうのではないかと気を遣ったりすることもあるだろう。OKおばあちゃんならば、そんな高齢者の気持ちも汲み取って対応できる。