台頭著しいアジアの国が多額の対米貿易黒字を築き、米国経済の優位を脅かしている。米政府はその新しい大国が米国の技術を取得する手口(窃盗が多いと米当局者は警告)や自国企業を世界で優位な位置に押し上げるべく強権を振るう様子に憤慨している。中西部でブルーカラーの男性から予想以上の支持を集めて選挙を制した共和党大統領は、経済的ライバルであるその国が米国と取引(ディール)をした方が身のためだ、さもないと大変なことになると話す。これはもちろん1980年代半ばの日本の話だ。日本の台頭は当時のロナルド・レーガン大統領にとって最大級の課題であり、米国は常に期限を設け、関税をちらつかせていた。そして米国は現在、同様の課題に直面している。当時と違うのは相手が中国であることだけだ。中国は日本に代わって世界第2位の経済大国となり、米国に対する最大の挑戦者となった。
米中衝突、よみがえる日米貿易摩擦の記憶
1980年代の日米摩擦は中国との貿易紛争の教訓になるのか
有料会員限定
あなたにおすすめ