ハイテク大手にとって今年は、偽情報・検閲・データの乱用などに対する政治的怒りの大波に揉まれ、誇りを傷付けられ、評判を損なわれ、株価も大きく下げた年だった。公開むち打ち刑のような状況は、必要であり満足させるものだったかもしれない。しかし、行き過ぎとも言えるかもしれない。批判は党派的となり、共和党はグーグルがリベラル寄りに偏向しているとして腹を立て、民主党はフェイスブックが選挙操作に加担したことに怒りを示した。こうした状況下では介入のリスクが増大する。介入は満足感をもたらすかもしれないが、競争の不在という、この分野の基本的問題を解決せず、実際にはさらに悪化させる可能性もある。フェイスブック、ツイッター、アルファベット傘下のグーグルなどのプラットフォーム上で、ロシアの政府系勢力が、世論操作につながるコンテンツの拡散に成功したことを示す、最近明らかにされた事例に目を向けてみよう。ロシアによる政治介入は外交政策上の深刻な事態だが、これに対する非難の嵐は、影響の程度と比べて大げさすぎるように思える。ロシアが関与するコンテンツは、ソーシャルメディア全体の規模から見ればごくわずかであり、伝統的なニュース報道や広告の量と比べれば、見劣りがする。ツイッターは、こうしたコンテンツへの反応(インプレッション)の回数は、2016年の選挙関連ツイートのわずか0.5%にすぎなかったと推計している。
ハイテク大手たたきの功罪 「競争の不在」問題も
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