免疫系を賦活化させるキノコ類も少ない、魚介類も少ない、かめないから肉類も少ない、健康食として近年注目されているナッツ類は歯がなければ食べられなくて完全にアウト……。栄養バランスの分類を見ると、健康な体を維持するのに不可欠なビタミン・ミネラルが明らかに少ないのです。歯が悪いと野菜類を食べづらくなるのが関係しているのでしょう。

 また、歯が悪ければ、加熱調理して軟らかくしたものしか食べられませんので、加熱に弱いビタミンCなどの摂取も少なくなります。ビタミンCは免疫力に関係し、また体の酸化(老化のこと)を抑制するビタミンです。

歯磨きだけでは完璧な予防にならない
午後3時ごろに口臭がしたら要注意

――全身のさまざまな疾患の要因にもなり得る歯周病を的確に予防するには、どのようにすればいいのでしょうか?

 歯を磨くことは基本中の基本です。ただ歯を磨けばいいのではなく、歯と歯の間を磨くことが大事です。フロスも併用し、歯と歯の間を取るようにしてください。

 ただし、歯ブラシとフロスを使い、いかに丁寧にきっちり磨いても、自力で磨けるのは9割まで。残り1割の汚れ(プラーク)は取れません。残った1割のプラークから歯周病や虫歯が発症するのです。定期的に歯科医院に通ってプラークや歯石の除去をするしかないのです。6ヵ月に一度では、歯に付着したプラークが石灰化して歯石になってしまい、歯石を削る際に歯を傷めてしまいます。プラークが歯石になる前に歯科医院に行くのが理想的であり、そのためには3ヵ月に一度の定期チェックを目安にすべきです。

 さらに最近は、L8020菌やロイテリ菌といった歯の健康を維持するのに役立つ乳酸菌も見つかっています。これらを活用するのも手でしょう。

――すでに歯周病が進んでいるかどうかは、どうすればわかりますか?

 歯茎から血が出る、歯が浮く感じがする、食べ物をかむと痛みを感じる、歯がグラグラする……。これらはかなり歯周病が進んでいると考えられます。すぐに歯科医院へ行くべきです。

 それほどではありませんが、口腔内の健康が損なわれていることを疑った方がいいのは、息が臭い場合。簡単にチェックするには、午後3時くらいに、口に手を当てて、ハーッと息を吐いてみてください。昼食後2時間ほどで口が臭うようなら、口腔内はあまり良い状態ではないといえます。

 いずれにしても20歳以降、歯の健康は徐々に衰え始め、40歳以降、加速します。歯の健康を失うと同時に、糖尿病、がん、循環器病など生活習慣病のリスクも増加していきます。ですから、すべての成人に定期的な歯科チェックをおすすめします。