中国でのアップルのつまずきは、ライバルの韓国サムスン電子にとっては嫌というほど聞き慣れた話だ。5年前、サムスンは中国人が用いるスマートフォンのおよそ5台に1台を販売し、中国市場でトップに君臨していた。だが今では、シェアは1%にも満たず、競争に完全に取り残された。サムスンは中国の現地スタッフを削減し、先月には中国国内に2カ所あるスマホ工場の1つを閉鎖した。アップルの中国での販売がそこまで劇的に落ち込むと予想する向きは少ないが、サムスンのつまずきを招いた要因の一部は、海外のスマホメーカーにとって貴重な教訓となっている。サムスンは依然、世界最大のスマホメーカーだが、中国では同じ性能のスマホをより安価で提供する現地メーカーに打ち負かされた。そこに2016年、「ギャラクシー・ノート7」の発火事件によるリコール(回収・無償修理)が追い打ちを掛け、ブランドに大きな傷が付いた。また韓国が米軍によるミサイル防衛システムの配備を受け入れたことで、中韓関係が緊張。中国消費者による韓国ブランドの不買運動に直撃された。