最初からFCの軒先を借りるつもりの“素人”の加盟店には、契約書が「本部に有利な内容」かすらも、わからないまま契約を結ぶ人も少なくない。

 しかも裁判の経験はない人がほとんどなので、本部に訴訟をちらつかされたりすると、オーナーたちはオロオロしてしまうという。

加盟店を守る法律はあるが
罰則規定なく適用対象は限定

 こうして不利な立場に置かれがちな加盟店がFC本部に対抗するための法律は一応あるが、罰則規定がなかったり、規制対象のFCが限られていたりで、機能しているとは言い難い。

 例えば、FC本部が加盟勧誘の際、「売り上げ予想の虚偽表示」などの行為を規制する法律の1つに、独占禁止法がある。

 2002年に公正取引委員会が公表した「フランチャイズ・システムに関する独占禁止法上の考え方について」との指針では、加盟店との契約にあたっての重要事項など8項目が挙げられた。

 その中で「本部が加盟者の募集にあたり、重要な事項について十分な開示を行わず、または虚偽、もしくは誇大な開示を行い、実際のフランチャイズ・システムの内容よりも著しく優良または有利であると誤認させ、自己と取引するよう不当に誘引する場合には、不公正な取引方法の『ぎまん的顧客誘引』に該当する」と記された。

 この指針は2000 年前後にコンビニなどで、本部と加盟店の間でのトラブルが多発したのを受けて作られ、 FC業界の中では「独禁法ガイドライン」と呼ばれ、つとに知られる。 

 だが、実は、これには罰則はなく、これまでこうした勧誘そのものが独禁法違反として摘発や処分を受けたことはない。

 フランチャイズを規制する法律はもう1つある。中小小売商業振興法だ。

 この法律は、「商店街や店の集団化・共同店舗等の事業を円滑にし、整備を通じ、中小小売商業の経営を近代化する」狙いで作られ(1973年施行)たが、FCを「特定連鎖化事業」(11条)と定めている。

 同法も02年に施行規則が改正され、FC本部に対し、直近5年間の訴訟件数や、直近の加盟店舗数の推移など22項目を加盟契約時に加盟店に開示することを義務付けた。