――筆者のグレッグ・イップはWSJ経済担当チーフコメンテーター ***  「イールドカーブの逆転」と題する新たなホラー映画がやって来た。ウォール街を席巻するこの映画の目玉は、身も凍るような正体不明の力だ。それは人々の心の中に忍び込み、ケーブルTVのニュースに一喜一憂させ、金融市場にパニックを起こす。  長期債の利回りが低下して短期債の利回りに近づくにつれ、われわれが幾度となく思い起こすのは、過去5回の景気後退(リセッション)に先立って逆イールドが発生していたことだ。