AT&TとベライゾンPhoto:iStock/gettyimages

 第5世代(5G)の無線通信サービスとは何かと聞かれれば、「第4世代(4G)の次のサービス」というのが各企業に共通する答えだ。

 ただ具体的な定義を尋ねると答えは一様ではない。米国の通信会社はさまざまな技術を「5G」として売り込み、もともとシンプルとは言えない業界に混乱をもたらしている。

 AT&Tは、一部ユーザーのアンドロイド搭載のスマートフォンの画面に「5GE」と表示したことで、このところの注目を集めた。Eは「evolution(進化)」の頭文字で、5G向けに用意された追加の周波数帯域を利用できることを示す。

 AT&Tのジョン・スティーブンス最高財務責任者(CFO)は、無線通信の質を直ちに改善する新たな設備の基地局への設置が進んでおり、5GEの表示は間違いではないと説明した。「(5GEは)本物だ。現に、顧客の役に立っている」。同氏は9日、米ラスベガスで開かれたシティグループ主催の投資家会議でこう語った。

 イリノイ州オーロラ在住のマーケティング専門家、ロバート・ロウパース氏は年明け早々、目新しい表示に驚かされた。5Gサービスが開始前なのは知っているが、自身のLG電子製のスマホでウェブを閲覧する際、5GEが現れた時だけ動きがよくなるように感じたという。

 実はスマホに5GEと表示されても、接続可能なのはまだ4Gサービスだけだ。TモバイルUSのネビル・レイ最高技術責任者(CTO)は「顧客をペテンにかけ、実際に受けていないサービスを受けているように思わせている」とブログに投稿。ベライゾン・コミュニケーションズもこの表示方法を批判し、本物の5Gサービスであれば、呼称にふさわしい新たなハードウエアと無線技術を使うべきだと主張した。

 「ベライゾンは従来のスマホのステータスバーの数字を単に4から5に変えるようなことはしない」。同社のカイル・マラディCTOは今週、ネット上と新聞の全面広告に掲載した公開書簡の中でこう述べた。