アマゾンとマイクロソフト
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CEOが大型の企業買収を検討中と明言

 アップル(AAPL)の株価はこの3カ月でほぼ3分の1下落した。また1月2日に同社が発表した2018年10-12月期の業績見通しでは売上高ガイダンスが市場関係者の予想を8%下回る水準に引き下げられ、iPhone(アイフォーン)が今年はマイナス成長になるとの市場の懸念が裏付けられた。状況を好転させるため次に何ができるのか、それが同社の喫緊の課題である。

 アップルは1月2日の業績見通し発表以降、未来を再び活性化するために大胆に行動するとほのめかしている。最高経営責任者(CEO)のティム・クック氏は投資家に宛てた最近の書簡で、アップルは「ネットキャッシュゼロ」を目指すと改めて強調した。これは、同社が抱える1300億ドルのネットキャッシュを使う必要があることを意味する。ネットキャッシュはこれまでは自社株買いと配当に充てられていた。ところがクック氏は先日のCNBCとのインタビューで、引き続き大型の企業買収を検討していると明言した。

アップルと最も相性が良いのは任天堂

 買収先の候補としてネットフリックス(NFLX)やテスラ(TSLA)がしばしば取り沙汰されている。だが、これらの企業のバリュエーションの高さと現金を大量に消費する事業体質は、高い利益率と財務的な保守主義を好むアップルとは相いれない。

 アップルと最も相性が良いのは任天堂(7974)かもしれない。アップルと任天堂の特質は似通っている。すなわち、潤沢な現金を有し、利益率が高く、強いブランドを持ち、忠誠心の高い顧客を抱え、ユーザーを捉えて離さないソフトウエアとサービスのエコシステムを備えている。

 アップルは任天堂を傘下に加えることで、大規模でありながら成長途上にあるゲーム業界への大きなエクスポージャーを獲得し、売上高の面ではさまざまな潜在的シナジーの恩恵に浴することになる。市場調査会社ニューズーの推定によると、世界のゲーム市場規模は2018年に11%成長して1350億ドルとなった。2019年以降は年率9%で成長し、2021年までに1740億ドルに達する見通しだ。