ハーバード大学経営大学院のリサーチャー2人が新たに発表した研究リポートによると、企業は従業員が仕事と家族の世話をバランスさせる難しさを十分に認識しておらず、そのことは企業にとってマイナスになっている。それによると、米労働力の75%近くは何かしら家族の世話をしなければならない状況にある。このうち32%は仕事と家庭の両立ができないため離職したと述べ、80%超は家庭の事情が妨げとなって仕事でベストを尽くせないと話している。28%は家族の世話がキャリアに悪影響を与えたと述べた。難しい業務を任せてもらえなかったり、昇給・昇進を見送られたりしたためだ。その結果、企業は離職率の上昇と労働生産性の低下への対応を迫られる。そのコストを試算するのは難しいが、同リポートはそれが低くないことを示唆している。リポートを共同執筆したハーバード大学経営学院のジョセフ・フラー教授によると、雇用主はそのことに概して気づいていない。「そうしたコストのパターンが顕在化しているが、雇用主は見過ごしていると思う」という。
介護負担の認識にズレ、米企業と従業員
離職率の上昇と生産性の低下というコストに気づいていない雇用主は多い
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