これまで世界で圧倒的な空軍力を誇っていた米国の地位をロシアが脅かしている。ロシアはシリア北部から東欧諸国との国境沿い、北極圏を東方向へと取り囲む一帯に防空圏を形成。米軍の攻撃が及ばない体制を構築しつつある。ロシアは最新鋭ステルス戦闘機の探知も可能な最新の地対空ミサイル(SAM)システム「S400」をシリアに配備。レーダーの追跡範囲はトルコ、地中海、イスラエルに及ぶ。ロシア防空軍司令官のビクトル・ガミオニ中将はテレビインタビューで、S400はまだ実戦で使用していないが、「電子システムが探知次第」、シリア内で追跡レーダーが米主導の有志連合の軍用機を追い払っていると述べた。