【ユジノサハリンスク(ロシア)】ロシアで事業を営むユリ・ダヤコフ氏は、国連制裁により、ロシア極東で雇用する北朝鮮人200人の建設労働者チームの解散を迫られている。だが、ダヤコフ氏には秘策があった。国際社会から認められていない、遠く離れた親ロ派の小国に派遣するのだ。  ロシアには、ダヤコフ氏のように、制裁違反により米国の逆鱗(げきりん)に触れることも恐れず、北朝鮮との取引を維持しようとする事業主や朝鮮系の市民が存在する。数は少ないながらも、彼らの意志は固い。彼らは国連制裁の順守期限ぎりぎりまで待ち、国連制裁から離脱するようロシア当局者に働きかけてきた。