中国で養豚数が大きく落ち込んでおり、米国の大豆農家にとり頭痛の種となっている。大豆はすりつぶされて、大豆油と大豆ミール(大豆粕)が生成される。この高タンパク質の大豆ミールは、豚や牛、魚まで、家畜飼料として広く使われており、4億頭を超える中国の豚はその最大の消費者だ。中国では昨夏、北部の豚を家畜伝染病の「アフリカ豚コレラ」に見舞われた。その後、感染が拡大し、大量の豚が殺処分された。養豚数の減少は、大豆需要の低下につながる。アフリカ豚コレラは豚にとっては極めて危険で、人間には害を及ぼさないとされるものの、一部では買い控えが起こり、豚肉販売を下押しした。豚肉需要の後退は、米農家にとって厳しい時期に重なった。中国の米国産大豆の輸入は、昨夏の終わりに導入された報復関税により、すでに減少している。米中は昨年12月、通商紛争の「一時停戦」で合意し、中国は大豆の購入を再開したが、関税は残ったままだ。