ビットコインPhoto:PIXTA

 カナダの大手仮想通貨取引所クアドリガCXは、1億4000万米ドル(約150億円)相当に上る顧客の仮想通貨にアクセスできなくなったと明らかにした。創業者で唯一の社員だったジェラルド・コットン氏(30)が、パスワードを誰にも明かさないまま急死したためだという。

 だが、外部の調査会社2社は、クアドリガの取引記録を分析した結果、資金は引き出せない状況にあるのではなく、喪失している可能性があるとみている。クアドリガが顧客資金を他の仮想通貨取引所に移した形跡があるものの、その後はどうなったかは不明だという。

 調査会社の分析結果は、クアドリガの主張に反論した格好で、不透明で予測不可能とされる仮想通貨業界の中でも、事件はさらに異例の展開をたどっている。

 クアドリガはコットン氏が2013年12月に創業した。同社は1月15日、ウェブサイトで、コットン氏が昨年12月9日、孤児院の建設に取り組んでいたインドで、クローン病に絡む合併症のため死亡したと発表。その2週間後にノバスコシア州の裁判所に破産法の適用を申請した。

 クアドリガによると、顧客口座の残高は合計2億5000万カナダドル(約210億円)。このうち現金は7000万カナダドルで、残る1億8000万カナダドル(1億4000万米ドル)の仮想通貨は、コットン氏のラップトップ内にある準備口座に保管されているとしている。

 コットン氏の妻、ジェニファー・ロバートソン氏によると、コットン氏はノバスコシアの自宅から事業を営んでいた。業界内で「ホットウォレット」と呼ばれるネット環境下の稼働中の口座から、オフライン環境の「コールドウォレット」と呼ばれる準備口座に資金を移動できるのは、コットン氏だけだという。クアドリガはコットン氏のラップトップの暗号解除を試みたが、成功しなかったと説明している。