エアバスA380Photo:Reuters

――WSJの人気コラム「ハード・オン・ザ・ストリート」

***

 航空機開発は「カッコいい」仕事だが、問題もある。いくら「もっと大きく、もっと速い」旅客機の開発を目指しても、買い手が望むのは燃費性能に優れた「つまらない」機体ばかりなのだ。

 欧州航空機大手エアバスは14日、敗北を認め、世界最大の旅客機「A380」の生産を停止すると発表した。エアバスはA380の開発に100億ドル(約1050億円)を投じたものの、納入実績は過去13年で234機にとどまる。最後のA380が納入されるのは2021年だ。

 2階建てで555席を有するA380は、まだそれほど月日を経ていないように見えるかもしれないが、設計への取り組みはすでに1988年から始まっていた。当時は、ライバルのボーイングがジャンボジェット機「747」で業界に君臨していた時代だ。747は機首の部分が2階建てになっており、「こぶ」のように見える独特の形状で知られる。

 だがA380が処女飛行を終えた2005年には、航空業界は一変していた。サウスウエスト航空やライアンエアなどの格安航空会社(LCC)が、ボーイング737やエアバスA320などの小型機を使って2地点を直接結ぶことで、短距離便の常識を変えた。また航空各社は長距離便でも、ハブ空港に待機している超大型機に顧客を誘導するのではなく、回転の速さを一段と重視するようになった。