ソフトバンクグループの孫正義会長兼社長が率いる「ソフトバンク・ビジョン・ファンド」。10兆円規模のこのハイテク投資ファンドに対して、二大出資者であるサウジアラビアとアブダビの政府系ファンドが、ビジョン・ファンドの運用を担うソフトバンクへの不満を募らせている。火種となっているのは投資先の評価額の高さや、投資判断に対する孫正義社長の影響力の大きさだ。  サウジのパブリック・インベストメント・ファンド(PIF)とアブダビのムバダラ・インベストメントは、ビジョンファンドの資本のうち約3分の2を拠出している。