電気自動車Photo:Reuters

 電気自動車(EV)に使われる金属に賭けてきた投資家に幸運は訪れそうにない。株から原油まで、激動の年末を経験した市場は今年に入って復活を果たした。だがEVやスマートフォン用のバッテリーの主要原料であるコバルトとリチウムは、リスク資産に広く見られる反発にあずかっていない。

 商品市場関連の調査会社ファストマーケッツのデータによると、コバルト相場は年初から2月6日の間に30%超下落し、2年ぶりの低水準をつけている。また、調査会社ベンチマーク・ミネラル・インテリジェンスが発表した1月のリチウム相場指数は10カ月連続の低下となり、数年ぶりの安値をつけた。

 コバルトおよびリチウム相場の下落は2017年と対照的だ。当時は一連の需要が供給不足につながるとの観測が相場を押し上げていた。現在のスランプは、業界の主要プレーヤーが投資家の予想できない形で動きを変えれば、熱気を帯びていた取引が急変し得ることを示す。

 鉱山会社がこぞってバッテリー用金属相場の盛り上がりに乗じようとしたため、コバルトとリチウムの生産は安定し、18年に相場下落を引き起こした。また中国の減速や、同国のEV補助政策を巡る不確実性が地合いをさらに悪化させた。中国はEVバッテリーのサプライチェーンで圧倒的な位置づけにあるからだ。