世界中の資金が朝鮮半島に流れ込む日

ジム・ロジャーズ『お金の流れで読む日本と世界の未来』
ジム・ロジャーズ氏の著書『お金の流れで読む日本と世界の未来~世界的投資家は予見する』

 2018年6月に、外国人投資家による韓国からの資金引きあげが話題になった。それは、1つには戦争の可能性を懸念したからだ。米中貿易紛争とそれに触発された為替戦争で、外国人投資家が新興国に不信感を抱くようになった。しかし北朝鮮が開かれて韓国と平和を築けば、多くの資金が世界中から韓国に流れ込んでいくだろう。

 好調なサムスン電子を筆頭に、財閥系企業の業績が韓国経済を下支えしている。この状況は、北朝鮮が韓国に開かれれば、さらに勢いを増すだろう。そのような財閥系企業が北朝鮮に投資をする金を持っているからだ。

 韓国における財閥系企業の存在感は、ちょっとしたものである。先ほども述べたように、韓国株式の時価総額上位30位の企業のうち、実に25社が財閥系なのだ。

 たとえばサムスンは、成功を体現したかのような偉大な企業である。もしあなたが韓国に生まれたとしたら、恐らくサムスン病院で生を享け、サムスン病院で息を引き取るだろう。そしてサムスンの葬儀会社によって埋葬される。それほどまでに、サムスンは韓国人のゆりかごから墓場まで支配している。まったく、偉大なるサクセス・ストーリーだ。

 財閥企業頼りの経済構造には、問題点ももちろんある。ただ、それはすでに市場原理や社会の力によって改革されつつある。概して、成功者のほとんどは無理をしすぎる。頑張りすぎて、行き着いた先に競争が入ってくる。

 とりわけ北朝鮮が開かれると、多くの人が入っていき、北朝鮮からも起業家が出てくる。中国の起業家も朝鮮半島に入っていく。人材だけではない。お金も、中国、ロシア、さらに日本から流れ込むだろう。熾烈な競争がもたらされる。

(ジム・ロジャーズ、訳/大野和基)

※本文は書籍『お金の流れで読む日本と世界の未来~世界的投資家は予見する』を一部抜粋して掲載しています。