。今回、サンダース氏当選の可能性を見くびる者はいないだろう。2016年大統領選の民主党予備選で勝利の一歩手前まで迫った社会主義者サンダース氏には、前回は回避できた有権者の厳しい目が向けられるはずだ。2020年大統領選の民主党候補のうち、全国的知名度でサンダース氏と比肩するのは、エリザベス・ウォーレン氏とジョー・バイデン氏だけだ。そして、世論調査の支持率でサンダース氏を上回っているのはバイデン氏だけである。サンダース氏は2018年末時点で、上院議員選挙キャンペーンによる約900万ドル(約9億9500万円)の資金を確保している。これは混戦模様の予備選に向け、もう一つの有利な材料になる。しかし、もはやサンダース氏は唯一の社会主義者の候補ではない。同氏は前回の予備選でヒラリー・クリントン氏に敗れたが、民主党を左寄りにシフトさせた。今や民主党内は、民間の健康保険を排除するメディケア・フォー・オール(国民皆保険)を求める同氏の提案やグリーン・ニューディールを支持する女性そしてマイノリティーの候補者であふれている。77歳のサンダース氏は、自身が白人かつ男性であることが民主党内では不利に働くことに気付かされるかもしれない。
【社説】再出馬するサンダース氏のアキレス腱
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