昇進には歓迎すべきメリットがある。給料が上がり、立場に応じた特典が与えられるといったことだ。だが祝福の声が一段落すると、多くの人がもっと微妙な変化を意識し始める。なぜ職場に仲のよい友達がいなくなったのか?ティム・トーラン氏が初めてそれに気づいたのは、以前の勤め先でバイスプレジデントに抜てきされた直後のことだ。元同僚を監督する立場になったトーラン氏が金曜の夕方に新たな部屋から目にしたのは、「いつもの仲間が連れ立って行く」姿だった。「以前の友人たちが毎日ランチに繰り出す姿も目にした」という。同僚が集まるバーベキューパーティーに声がかからなくなり、「次々に来ていた誘いが突如途絶えてしまった」とトーラン氏は振り返る。自分が部屋に入ると皆が口をつぐみ、「まるで死人を見たかのように沈黙が流れる」ようになったという。トーラン氏は現在、経営人材紹介会社サンフォード・ローズのヘルスケア部門であるトーラン・グループの最高経営責任者(CEO)を務める。