バラク・オバマ氏写真:ユニフォトプレス

――筆者のグレッグ・イップはWSJ経済担当チーフコメンテーター

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 2003年、ホワイトハウスの大統領執務室。当時、安全保障当局者だったダン・サリバン氏は、中国の副首相がジョージ・W・ブッシュ大統領に対し、知的財産の窃盗問題に対処すると表明した際、その場に同席していた。だが、中国は実行に移さなかった。

 サリバン氏は2015年にも、中国の習近平国家主席がバラク・オバマ大統領に対し、中国はサイバー攻撃を通じて企業秘密を盗む、または南シナ海で軍事拠点化を進めることはないと誓う場面を目にしていた。「中国は約束を果たしただろうか? ノーだ」。共和党の新人上院議員(アラスカ州)となったサリバン氏は今月、上院議場でこう断言していた。

 サリバン氏はインタビューで、ドナルド・トランプ大統領は、中国の法律や経済、慣行に関する構造改革を達成することで、ブッシュ、オバマ両氏がなしえなかったことを実現できるかもしれないと指摘した。「ここまでこられたのは、トランプ大統領のおかげだ」
 問題は、トランプ氏が自身の立場を堅持するかだ。ブッシュ、オバマ両氏が失敗した要因は、中国が約束を守るかどうかよりも、北朝鮮とイランの核開発をはじめ、世界的な金融危機や気候変動など、他の問題をより重視したことにある。両氏は、世界貿易機関(WTO)が認めたルール以外の方法で中国を罰することには消極的だった。