米国で白人至上主義者のグループが人種差別、反イスラム、反ユダヤ主義の拡散のための教宣活動を強めている。ユダヤ系人権団体の名誉毀損(きそん)防止同盟(ADL)がまとめた最新報告で明らかになった。ADLによると、2018年に米国で確認された白人至上主義者のプロパガンダは1187件と、17年の421件から増加した。ADLの定義では、プロパガンダとは白人至上主義者が新たなメンバーを集めるためにパンフレット、ステッカー、ポスターや旗などを使用することだ。ADLのジョナサン・グリーンブラット理事長は「過去に経験したことがない事態だ」と懸念を強めている。同理事長によると、白人至上主義者は社会的な地位を高めようとする一方で、公衆には自分たちの身元を隠したいと思っている。パンフレットや旗を使うことで、自分達のメッセージを匿名のまま広め、極右が集まるインターネット交流サイト(SNS)のGabなどで、自分たちの存在をアピールすることができる。