私自身であれば、きっとかなり落ち込み、引きこもってしまうと思います。実際、今までにそうした引きこもりの時期を二度までも経験しました。

 私にはすぐに“嫌になってしまう”癖があります。諦めてしまい、自暴自棄になり、すべてのことがどうでもよくなり、ふてくされてしまうのです。なぜ失敗したのかを興味本位で聞いてくる連中の詮索的な目も大嫌いです。それまで順風満帆だった私が打ちひしがれている姿を連中に見られてしまうと、「さぞかしいい気分だろうね」とひねくれた考えも湧いてきます。そうなると、そんな自分への自己嫌悪もあり、人に会うのが億劫になってしまいます。結果として、鬱々と孤独な時間をただ過ごすことになります。

 しかし、彼らのことを振り返ってみて、長い人生の中で重要なのは、花が咲いている時期ではなく、雌伏期の過ごし方なのだと改めて思い知らされました。決して引きこもっていてはいけないのです。

おとなになってからの
引きこもりはやっかいです

 他人は、その人間が輝いている時、花が咲いている時を見て、人を評価します。しかし、考えてみれば当たり前のことですが、花を咲かせるにはまず土を耕して種をまき、水や肥料をやって育てる時期が必要です。そうしなければ花は咲きません。人も同じです。人生において磨きがかかった人だけが花を咲かせることができるのです。

 心を入れ替え、引きこもらずに外に出る。

 まさに大切なのは挫折期です。何が悪かったのかを考え、反省すべきことは反省するのも大切でしょう。ところがもっと重要なのは次のチャンスをつかむ準備をすることです。過去はいい加減に忘れ、次に進むことです。そのためにも、「反省のし過ぎ」は心の中でクヨクヨして自分の行動にブレーキをかけてしまい、未来のためにはかえって害毒です

 もういいじゃないですか。この辺で後ろを振り返るのはやめて、極論すれば悪いことはきれいさっぱり忘れ去り、違った自分になるのです。

 では、違った自分になるためには何をすればよいのでしょうか。一番重要なのは「人に会う」ことだと彼らに教わりました。

雌伏期にはとにかく人に会って話を聞け」です。

 とにかく面白そうな人に会う。新たな出会いだけでなく、無目的に古い知り合いに再会する。好きなことをする。行きたいところに行く。おおいに楽しむ。趣味でも勉強でもいいから、何かを強制的に始めてしまうのも、ショック療法的にはいいようです。