統計不正調査による「賃金偽装国会」が空回りする理由
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 毎月勤労統計の不正調査やその原因を調査した特別監査委員会の報告を巡って、国会は「統計国会」の様相を呈している。

 野党は、2018年の賃金の伸び率が過大になっていたことで「アベノミクス賃金偽装」の追及に熱心だ。

 一連の批判の中には、的を射たものもあれば、そうでないものもある。大事な論点だが指摘されていないこともある。

 筆者は「賃金偽装」の批判は的外れだと考えるが、本統計の公表の仕方や政府による使い方には、「政権への忖度」と受け取られても仕方がない問題があったことは確かだ。

ルール違反や重大ミス
厚労省のガバナンス欠如は明らか

 問題の発端は、従業員500人以上の規模の事業所については全数調査というルールにもかかわらず、2004年以降、東京都で全数の3分の1程度のサンプル調査しか行われなくなっていたことだ。