その3ヵ月後、父は亡くなった。兄と話せるようになったのはそれがきっかけだった。突然、実家の母から電話があり「お兄ちゃんに代わるね」と言われた。兄は開口一番「お父さんが死んだ」と話した。兄との30年ぶりの会話だった。父が死んだことよりも、兄がしゃべっていることのほうが驚いた。葬儀場の控室で、たくさんの話をした。その後も声をかけると、反応してくれるようになった。

自分が生きているうちに
兄に立ち直ってほしい

「8050問題」とは、地域で家族全体が孤立している状態を指す。

 間野さんは、孤立しないように地域で情報を公開。離れて暮らしていても、高齢の母親だけでなく引きこもる兄の情報も、サポートしているデイサービスセンターから2週間に1度、入って来るようになった。

「みんな知ってて気にしない状況をつくりたいのと、僕が生きてるうちに、兄が身内以外の第三者と話ができるようになってくれたらいいなと思います」

(ジャーナリスト 池上正樹)

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