ICOによる資金調達を成功させた企業も持ちこたえている。ブロックチェーンのソフトウエアを開発するブロックワンはICOで推定40億ドルを調達。同社のプラットフォーム「EOS(イオス)」の開発にこの資金を充てている。メッセージングアプリ運営のテレグラムは昨年17億ドルを調達。これを元手にサービスを拡充させ、独自のブロックチェーン・プラットフォーム構築を進めている。

 これに対し、ICOに資金をつぎ込んだ投資家はあまり運がよいとは言えない。仮想通貨イオスは2018年4月に最高値21ドルを付けたが、現在は3.77ドル付近に急落している。また、2017年にICOで2億ドル余りを調達したテゾスの仮想通貨は、2017年12月には11.21ドルまで上昇したが、現在は0.55ドル付近に低迷している。

 調査会社トークンデータによると、2018年はICOに120億ドルが流入したが、今年はまだ1億ドルにとどまっている。同社が今年調査した50件のICOのうち会社が存続しているのは13社のみ。破綻率は74%に上る。2018年の破綻率は55%だった。

 「人々は冬を乗り切るための自衛策を探している」。こう話すのは、カナリーデータと称するオープンソースのデータ分析事業を最近始めたばかりのガレン・ムーア氏。同事業を育てるのが目標だが、当面は生活費を稼ぐためコンサルティングの仕事も続けている。

 調査会社ディアによると、ビットコイン採掘業者の売上高もこの15カ月間減少し続けている。

 2014年にデータ調査サイトを立ち上げたボアズ・ベッチャー氏は、2016年に同サイトを仮想通貨採掘大手ビットメインに売却。だが最近、ビットメインの業務縮小に伴って解雇されたという。

 同氏は浮き沈みの激しいこの業界で生き残るのは最大手だけだと考える。「ビッグプレーヤーはどんどんビッグになる。この業界はトップになれるかどうかの競争だ」

(The Wall Street Journal/Paul Vigna)