女性は男性より長生きする傾向にある。このことは生物科学において最も確かな研究結果の一つで、証拠は探すまでもない。米国の平均寿命は女性が男性より約5年長く、ラトビアとベトナムではその差は10年にもなる。新たな研究によると、成人になってからの脳も男性より女性のほうが若いようだ。この研究はセントルイス・ワシントン大学医学部の放射線専門医マヌ・ゴヤール氏と神経科学者マーカス・レイクル氏のチームが行い、先月、米国科学アカデミー紀要(PNAS)で発表された。それによると、脳の代謝――脳がグルコースと酸素を使って活動に必要なエネルギーを供給する速度――を測定したところ、成人女性の脳は常に男性の脳より3歳程度若いようだ。脳年齢の男女差には寿命の男女差がそのまま表れており、認知機能が正常に働く期間に神経発達の性差がどう影響するかについて、重要な事実を示すものかもしれない。
男性と女性、脳年齢はどちらが若い?
脳年齢の男女差は寿命の男女差と関係があるかもしれない
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