創業6年で世界7位のホテルチェーンへ急成長したインドのOYOが日本に上陸した。ヤフーと合弁会社を組んで3月28日から始めたのは、スマートフォンから「敷金・礼金なし」で家電・家具つきの部屋を借りられる不動産業だ。2013年に19歳の若さでOYOを創業し、ソフトバンク・ビジョン・ファンドなどから計10億ドルを調達した25歳のインドの若きスター経営者、リテシュ・アガルワルCEO(最高経営責任者)を直撃した。(ダイヤモンド編集部 大矢博之)
――創業6年で取扱い部屋数45万室と世界7位の巨大ホテルチェーンに成長し、世界一になると公言しています。
17歳から100以上のホテルなどの宿泊施設を泊まり歩き、インドや世界に可能性を秘めた宿泊施設が多くあると気付く。18歳で大学を中退し、ペイパル創業者ピーター・ティール氏の「ティール・フェローシップ」に参画。19歳でOYOを創業し、インド発でホテルのデジタル革命に取り組む Photo by Hiroyuki Oya
われわれは2023年までに世界最大のホテル会社になると掲げています。ですが、もっと前倒しで実現する自信はありますよ。なぜなら、これまで公表してきた目標をいつも前倒しで達成してきたからです。ただ、ホテル業界で世界一になることよりも、世界の26億人の中産階級の人々に、よりよい生活空間を提供する。このビジョンを達成することが、われわれにとってより重要なことです。
とはいえ、世界一は重要なマイルストーン。というのも、世界に変革をもたらす企業は、特定エリアの企業である必要はないということを示せるからです。アジア発の会社であっても、世界のトップ企業になる夢を見ることができる。世界の巨大なホテルチェーンは歴史があり、(欧米など)特定の国の企業ばかりですが、創業わずか7年の企業でも、世界にインパクトをもたらす規模になれる。ですから、夢と能力を持っているかどうか。これだけが目標達成の障害なのだと私は感じています。
――なぜこれほど早くOYOは成長できるのですか。
われわれには4つの強みがあります。
1つ目は、適切な価格でリースとフランチャイズを行う能力。われわれは世界の数千のエリアで、宿泊客が滞在期間に応じて喜んで支払う価格はいくらなのか、その価格は過去からどう変化してきたのかというデータを持っています。だから、もしエリアの環境が変化したとしても、適切な価格を予測できます。
ビッグデータを理解することで、リスク管理をリアルタイムで自動的に行うことができ、適切な価格での物件調達も迅速にできるようになる。優れたシステムとテクノロジーを活用することで、たった1つのベストな価格を導き出せるのです。世界のさまざまな国で採算を確保しながら、多くの客室を取り扱うことができるのはこのためです。