――筆者のクリストファー・ミムズはWSJハイテク担当コラムニスト***ある日のアイスランド・レイキャビク。風はさほど強くない。ドローンが1機、木々もない風景の中に飛び立った。運んでいる荷物は、誰かの夕食だろう。初めは物珍しかったが、こうした小飛行はわずか2年の間に見慣れた光景となった。配達を行っているのは、アイスランドのアハ(Aha)だ。米国の料理宅配サービス企業ドアダッシュや宅配サービスのポストメーツに相当する会社である。アハのドローンは、半径2.5マイル(約4キロ)の範囲内で食品や小さな家庭用品を運搬することができる。中国DJI製のより強力なドローンを導入することで、配達範囲は間もなく半径5マイルに拡大される。アハのようなドローンによる配達サービスは、世界でもまだ一握りしかない。そのうちの一つは、アルファベット傘下のウイングだ。オーストラリアのキャンベラで行われた同社の直近の試験サービスでは、コーヒーや日焼け止め、チョコレートなどを160世帯に配達した。