ドナルド・トランプ米大統領があらためて医療保険制度改革法(オバマケア)無効化を目指していることはさほど意外ではない。共和党は、オバマケアが正当な理由なく民間市場に侵入しているとして長らく撤廃を模索してきたのだから。それより意外なのは、市場侵入が不十分なことを理由に、やはりオバマケアを廃止したがっている民主党員の数だ。大半の民間保険を政府運営の単一の保険制度に置き換える「メディケア・フォー・オール」は、2020年大統領選の民主党予備選に名乗りをあげた候補の多くが支持しており、同党を支持する有権者もかなりの割合で支持している。これは、民主党で市場への幻滅が広がっていることを示す一例にすぎない。確かに大半は、資本主義を「救いようがない」と吐き捨てたアレクサンドリア・オカシオコルテス下院議員(ニューヨーク州)ほど極端ではない。だが不平等や貧困、人種間の格差や地球温暖化は「市場原理主義」「市場崇拝」「新自由主義」が原因だと短絡的に非難する声は多い。
米民主党に告ぐ:市場ベースの制度にチャンスを
オバマケアの教訓は医療保険制度でさえ市場ベースで成功し得ること
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