「文政権はこれまで米朝の仲介者を自認してきたが、米国はこのような韓国の立場はもはや認めない。韓国は日米韓同盟の一員として協力すべきである」
これが韓国の主要紙の論調から読み取れる文在寅大統領の訪米の評価である。米国の強い意志が現れた会談であった。
現在、民主主義国の中で、米朝会談決裂後も北朝鮮に寄り添うのは韓国の文大統領だけだ。
文大統領は、ベトナムにおいて米朝首脳会談が物別れとなった後も、開城工業団地や金剛山観光事業の再開などを通じた南北経済交流の推進に熱心であった。他方、米国は、北朝鮮には非核化への意思は感じられないとして、北朝鮮の非核化を促すためには制裁を維持することが不可欠である、との立場を明確にした。
こうした中で、文大統領の訪米を持ちかけられた米国は、当初、「開城や金剛山の事業について再開したいと言うなら来なくてよい」として、日程もなかなか決まらなかったようである。
そしてようやく決まった日程が上海臨時政府の発足100周年に当たる4月11日であった。