スキャンダルが
レームダック前に噴出
歴代の韓国大統領は、スキャンダルにまみれ、不幸な結末を迎えてきた。しかし、いずれもスキャンダルが露呈したのは政権末期。レームダックになり、大統領への求心力が失われたタイミングだった。
ところが、文在寅(ムン・ジェイン)大統領率いる文政権では、就任からわずか1年半余りでスキャンダルが噴出している。しかも、政権に対する支持率は落ちたとはいえ、不支持率と拮抗している45%強の水準。にもかかわらず、なぜ早い段階でスキャンダルが噴出しているのだろうか。
そこでまず、文政権に持ち上がっているスキャンダルのいくつかについて見ていくことにする。
まず、大統領一家に関する2つのスキャンダルだ。
保守系野党・自由韓国党の郭尚道(クァク・サンド)議員は1月29日に開催された党内での会合で、「文在寅大統領の娘・ダヘ氏と、その家族が東南アジアに移住した」と指摘した。
郭議員によると、ダヘ氏の夫は2010年に購入したソウル市鍾路区のビラ(低層の高級マンション)をダヘ氏に贈与し、ダヘ氏はこれを3ヵ月後に売却して夫や息子とともに移住したという。