文政権が狙うのは
対話を再び動かすこと

 文大統領は会談において、トランプ大統領に「近く南北首脳会談を推進する計画」と伝えた。

 文大統領は、北朝鮮からも仲介者失格の烙印を押されているため、米国から譲歩を引きだした上で南北首脳会談に臨みたいと考えていたのであろう。そこで米側に南北首脳会談を持ち掛け、これに合わせ、南北経済協力を材料に北朝鮮の説得を試みることについて黙認を取りつけたかったのではないか。

 だからこそ文大統領は、米国が何と言おうと南北共同事業を進める覚悟の人物である金錬鉄(キム・ヨンチョル)氏を、韓国の国会の反対を押し切ってまで任命したのだ。

 さらに、文大統領は、トランプ大統領に近く訪韓するよう招請した。トランプ大統領は、日本の天皇即位後の最初の国賓として、またG20サミットに合わせて、5~6月に2回訪日する予定がある。これに合わせ韓国も訪問するよう提案したのである。

 文大統領の狙いは、今後も頻繁に米韓首脳会談を続けることで、米側の対応に影響を与え続けることだ。この訪韓提案に対し、トランプ大統領は謝意を表明したという。しかし、それは前向きな返事を意味するものではない。

 加えて文大統領は、トランプ大統領の訪韓と合わせ、金正恩国務委員長を交えた3者会談を考えていると伝えられていた。ただ、トランプ大統領は記者団との問答で、「あり得るが、金正恩氏次第だ」と述べ、今のままでは困難との見方を示した。

 これらのことから、文大統領の訪米の狙いは、自分が主導権を取り、米朝を仲介して、北朝鮮との関係改善を図る道筋をつけることであった。