(3)個別に話しかける

「反応を取るための働きかけ」の最後のアプローチは、休み時間などを使って個別に話しかける方法です。

「1対多」の状況だとなかなか本音は出づらいですし、下手に全体の場で引き出してしまうと「やぶ蛇」となって、ヘビーな展開に陥る可能性もあります。少し勇気が要りますが、反応や理解度が気になる受講生がいたら、休み時間や研修の終了後に「先ほどの○○に関してどう感じましたか」「今日の研修はどうでしたか」などと話しかけてみましょう。

相手を見た目の反応だけで
判断してしまうと損をする

 これは私自身の経験ですが、ある年の新人研修で、表情1つ変わらない、うなづきもない、メモも全く取らないという、まさに捉えどころのない受講生がいました。あまりにも気になったので、思い切って休み時間に「今日の研修、モノ足りない?」と彼に聞いてみました。すると、驚いたことに彼は「メチャメチャ勉強になっています!」と明るい声で、しかも心底そう思っているという表情で、答えてくれたのです。

 相手の心の内、考えていることは読めないものです。見た目の反応だけで判断してしまうと、思い込みによって損をしてしまうこともたくさんあります。「そんなの当然」「つまらない」と興味・関心がなさそうな受講生がいたとしても、それは「興味・関心がなさそうに見えるだけ」なのかも知れません。

 もし本当に教え手として何か不足があるならば、真摯に受け止めて、その後(または次の実践機会)でリカバリーすればよいのです。「知るは一時の恥、知らぬは一生の恥」。ぜひ勇気(言う気)を持って受講生の懐に飛び込んでみてください。きっと思いがけない発見があります!!

【講師としての悩み・課題】の解決策を考える第3回目は、「聞き手の反応・理解がつかめない」という問題に対して、「参加型を取り入れる」「相手の反応を取りに行く(ノックする)」という2つの切り口から対処策を見てきました。

 次回は、悩み・課題として3番目に多かった「参加者の期待・ニーズと合っているか不安」を取り上げていきたいと思います。

(株式会社ラーニング・クリエイト代表取締役 鈴木英智佳)