今回は、Aさんの「表に出られないから何とかなりませんか?」という訴えを聞き、民生委員からの紹介で無視できなかったことから、地域包括支援センターが動いたようだ。

「早く死んでくれ」って
社会から言われてる感じ

 多くの自治体の現場では、Aさんのような外に出るのが難しい引きこもり中高年者に寄り添って、生活をサポートしてくれる担当者も支援の仕組みもないのが実態だ。Aさんは、こう問いかける。

「水際って、よく言われるけど、支援の制度自体が対象者の少ないレベルで設定されてるのではないかと思うんです。実は谷間の人が多いから、経済破綻しないようにしてるのではないか。でも、人間は生きているわけだから、人権の問題だと思います」

 足の悪いAさんは、ケアマネジャーが置いて行ってくれたパンフレットに載っていた民間の宅配弁当の案内を見て、1日1~2食、弁当を配達してもらっている。それでも、1食540円の出費がかさんでいく。

「早く死んでくれって、社会から言われてるような感じがします」

 本人たちが望んで引きこもっているわけではないのに、今の日本の社会構造から、そうのような方向へ追いやられているのが、Aさんの実感だという。

(ジャーナリスト 池上正樹)

※この記事や引きこもり問題に関する情報や感想をお持ちの方、また、「こういうきっかけが欲しい」「こういう情報を知りたい」「こんなことを取材してほしい」といったリクエストがあれば、下記までお寄せください。

Otonahiki@gmail.com(送信の際は「@」を半角の「@」に変換してお送りください)
 
 なお、毎日、当事者の方を中心に数多くのメールを頂いています。本業の合間に返信させて頂くことが難しい状況になっておりますが、メールにはすべて目を通させて頂いています。また、いきなり記事の感想を書かれる方もいらっしゃるのですが、どの記事を読んでの感想なのか、タイトルも明記してくださると助かります。